インステップキックは、シュートやロングパスなど強く速いボールを蹴る時に使うキックで、サッカーにおいては最も重要なキックといえます。
特に少年サッカーではインステップキックがきちんと「蹴れる子」と「蹴れない子」では、高学年になるにつれてプレーに大きな差が現れてきます。
サカスキコーチ的には、少年サッカー(特に低〜中学年)では難しいフェントやテクニックの習得より、まずはインステップキックがきちんと蹴れる事が重要と考えています。
きちんとしたインステップキックを蹴れることが重要な理由
クセが付く前にきちんとした蹴り方を覚える!
インステップキックは強く速いボールを蹴る為、どうしても膝や足首への衝撃(負担)が他のキックに比べると大きくなってしまいます。
それを間違った姿勢で続けることで、負担が積み重なり、後に足や腰の故障にも繋がってきます。
体重が小さい低学年の内から正しい姿勢できちんとしたインステップキックを蹴れるようになることはケガ防止にも繋がりますので、変なクセが付く前に正しい蹴り方を覚える事が重要です。
また、股関節が開きにくい幼児や低学年には、インサイドキックよりインステップキックの方がスムーズに蹴れるので、無理にインサイドキックをやらせるよりは、まずはインステップキックを習得させるのも全然アリです。
強く速いボールを蹴れる=正義!
高学年になるとそうでもないのですが、低〜中学年ぐらいの子供が大人のプレーを見て一番盛り上がるのは、ボールの飛距離やスピードです。
どんなに素晴らしいスルーパスが決まるより超ロングパス。技ありのシュートが決まるより弾丸シュートが子供たちの大好物です。
子供たちは強く速いボールを蹴れることへの憧れが強く、サカスキコーチのチームの子供たちも「どれだけボールが飛ぶか?」を練習の合間に競っています。
その中で一番ボールが飛ぶ子供はチームの主力では無いのですが、チームメイトからはそのキック力が一目置かれているので、試合でのフリーキックは全てその子が蹴るように子供たちの中で自然と決まっています。
足が遅い子供や上手にボールコントールができずに存在感が少ない子供でも、人よりボールを飛ばす事ができれば、子供たちの中では「認められる存在」になるので、少年サッカーでは「蹴れる=正義」なのです。
ボールを飛ばせる範囲まで視野に入る(認知できる)!
これは自分が指導していて思う持論なのですが、「蹴れる子供」と「蹴れない子供」では見えているフィールドの範囲が明らかに違います。
例えば、ボールが30m飛ぶ子供は、25m先の味方やスペースにパスが出せるので、半径25mぐらいまでが視野に入ります。
逆に、20mしかボールが飛ばない子供は、当然25m先にはパスが届かないので、最初から選択肢がなく、視野にも入っていません。
極端に言うと【ボールの飛距離が視野の範囲】になり、顔を上げた時に意識的に見れる(認知できる)範囲となります。
サッカーは認知・判断・実行の繰り返しで、この認知できる範囲が大きければ大きいほどサッカーでは基本的には有利になります。
キック力の差がそのまま認知できる範囲の差になるので、「蹴れる子供」と「蹴れない子供」ではプレーに大きな差が出てくるのは当然です。
またその差が積み重なることで、高学年になる頃にはポジショニングや連係プレーなどで更に大きな差となった現れてきます。
結局のところ「蹴れる=正義」なのです(笑)。
サッカーは「ボールを蹴る」という大前提を忘れていませんか?
低学年の子供にシザースやダブルタッチなどのドリブル(フェイント)テクニックばかりを教えているお父さんや指導者は、まずは子供がきちんとインステップキックでボールを蹴れているかどうかを見てあげて下さい。
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